様々な取引タイプ
同じトレーダーは誰一人としていないとよく言われています。それぞれのトレーダーには性格・特徴の違いがあり、それらがトレードの成績を左右します。言うまでもなく、生活習慣の違いもあり、実施するトレード戦略タイプに影響を与えることがあります。
例えば、意欲的で膨大なリスクを負うことを恐れないトレーダーもいれば、保守的でポジションをいいとこ取りしたいと思う人もいます。この点についてはトレード方法に正解も間違いもありません。そして、トレーダーとしてどの戦略タイプが自分に最も適しているかを理解することは非常に重要です。
先ほど述べたように、なりたいタイプのトレーダーを決めるときには多くの要因を考慮すべきです。初めにご自身がフルタイムでトレードをおこなうか、パートタイムでトレードをおこなうかを決めることで、トレードのスケジュール、どれほどの期間ポジションを保持できるかを決めることができます。次は一日に実施できるトレードの数、獲得する利益、リスクの制限方法の概略に関わるリスク許容度です。また、トレードの知識と経験をしっかりと評価するのにも役立ちます。
というわけで、こちらがトレーダーの種類です。
デイトレーダー
名称が示しているように、デイトレーダーはポジションを一日保有します。デイトレードは短期間の取引も含まれますが、その活動ペースはスキャルピングほど速くはありません。デイトレーダーははいくつかのポジションを数時間オープンにすることができますが、通常は一日で取引を完了することを好みます。
このタイプの戦略は一日中または立ち合い中にポジションをモニターでチェックし、必要な調整ができる人に適しています。ファンダメンタルズはこのタイプのトレードで作用するので、当日に公開された経済報告またはをポジションに影響を与える見出しを追う必要があります。
デイトレーダーが反転または継続が正常な状態であるかどうかを予測するために特定の通貨ペアの平均動向を見ることができるため、取引期間中の変曲点も考慮すべき重要事項です。
スイングトレーダー
おそらくすでに推測されているように、スイングトレーダーはポジションを一日以上保有し、4時間または日足チャートのような中期のタイムフレームにフォーカスします。これには通常、現在進行中のトレンドすなわち、市場の天井と底値を特定しようとすることが含まれます。
それにより、スイングトレードはスキャルピングやデイトレードと比較して多くの忍耐力が必要となります。これはまた、より大きな損切りラインを設定し、より大きなターゲットに向かうことを受け入れ、さらにしばしばポジションをしばらく赤字に導く可能性のある取引中に生じるノイズに対処する必要があるかもしれないことを意味します。
スイングトレーダーは通常スカルパーとデイトレーダーと比較して少数のポジションを確保します。これによって一度に複数のセットアップを行うよりも、収益性がよい可能性が高いと思われるセットアップを選択できます。先行指標と遅行指標のようなリーディング、テクニカルツールはトレンドの始点と終点を評価するためにしばしば適用されます。
ポジショントレード
最後に取り上げるポジショントレードは何週間、何か月にもわたって取引を続けていく必要があるため、これまでに取り上げたトレードスタイルのうち、最も多くの忍耐力を必要とします。スプレッド、取引手数料はもはやそれほどボトムラインに関連性があるとみなされませんが、最も考慮すべき重要なことはキャリーオーバーとロールオーバーです。
ブローカーは日を跨いでオープンとなるポジションに、中央銀行によって提供されるベンチマーク比率に基づいて決定された利息を適用します。一部のポジショントレーダーにとっては利益を生み出す可能性のあるポジティブキャリーを維持すること、つまり金利の低い通貨に対して金利の高い通貨を運用することが重要です。
ポジションを長時間保有するにもかかわらず、ポジショントレーダーは成功を最大限に高める機会を見極めるために頻繁にトレードを確認する必要があります。ファンダメンタルズがより長期的な価格動向の決定に重要な役割を担っているため、経済と市場原理を十分に理解することはポジショントレーダーにとって最も強力なツールとなり得ます。
長期的な取引を続けるためには多額の損切りが必要となることから、ポジショントレードにはある程度の回復力(レジリエント)が必要となります。多額のプルバックを引き起こす短期間のノイズをフィルターを使用して除去し、大きな動向に注目する必要があるということです。
また、ポジショントレードには、マージンコールをうけることなく、数百ピップス(pips)の株価の反発を乗り切ることができる大量の資本が必要です。慌てたり、ポジションを即座に手放す原因となり得るさまざまな市場の評判に容易に左右されるタイプであるならば、短期間のトレードスタイルに変更することを考えてみる必要があるかもしれません。